2016年9月3日土曜日

札幌駅の配線について考えてみる(2)

 
 
図表題:今回作成したパターン(今回の最終形)
先日,北海道に足を運んだ。過去に札幌駅の配線について書き,公開した記事に対し,今回北海道を訪れて得られた知見から,補足を行うことにする。
 まず,筆者が北海道に足を運んだタイミングで台風の影響から列車が次々と運休してしまい,暇を持て余してしまった影響で,札幌近辺の普通列車に乗る機会を得た。実際に乗ってみて判明した,実現困難と思う部分を修正してゆき,ひとまず以下のダイヤパターンを考えてみることにした。
図1:筆者想定ダイヤパターンその1
結構必死こいて考えたつもりなのだが,札幌~南千歳を特急で28分,快速で34分で走ることを前提に,普通列車を「入れられるところに入れてみた」といった感じの図なので,各駅停車がこんなに大量にいるわけではない。
 まず図の下り方向(苫小牧方面)の特急が1分寝てしまっている。北広島で快速エアポートと緩急接続を取ると島松まで逃げ切るのが困難なので,やむを得ず上野幌から島松までの間で1分寝かせる構成にしている。苫小牧方面のサッポロビール庭園は後ろから優等列車に追いかけられている列車はすべて停車する必要が出てしまうので,現在の旅客流動からするとあまり自然な形とは言えないが,優等が速すぎて千歳まで逃げ切るのが困難な状況下では,他に手が無いのが現状である。
 図の上り方向(小樽方面)も,優等列車を1時間に4本ずつほぼ等間隔に並べ,白石と北広島で待避を行っている。東急東横線と同じ本数という過密なダイヤを組むことはまずないであろうが,とりあえず入れようと思えば入るという程度の話である。小樽方面は白石駅で待避が可能で,西の里信号場の有効長さも長いので,上野幌での通過待ちはすべて苫小牧方面に譲ることにした。こうして,上下線で非対称なダイヤパターンが出来たというわけである。
 折り返しという観点からは,比較的無理の少ないパターンにしたつもりなのだが,手稲どまりの各停を置く場所がないという難点は残る。正直なところ,小樽行きの各停をやめてこれも手稲どまりにすれば,折り返し場所にも困らないと思う。朝里・銭函駅の利用者にとっては減便になってしまう(現況の毎時3本→毎時2本に減便)が,現況は等間隔でないし,区間快速を6両化し,新千歳空港方面に直通させるので,輸送力はむしろ増えている(毎時9両→毎時12両)し,ポジティブに考えればサービスアップなんじゃないかと思う。このため,筆者は手稲どまりの置き場所についてあまり気にしていない。
 ちなみに,筆者には(北広島での緩急接続をあきらめない限り)これ以外のパターンが作れなかったので,読者の皆様からよりよいパターンを募集したいところである。


 …とは書いたのだが,実は困難な問題がもう一つ生じている。それは,上りの江別→札幌で待避できないという問題である。 厳密には待避出来ないこともないが,特急に副本線を通過させるのでスピードダウンにつながり,個人的には気が進まない。そのため,
図2:札幌~旭川想定パターン
この図2のようなパターンに限定されてしまうのでは,と考えている。この時,特急の前後に普通列車が入らない時間帯(毎時22分から36分にかけて,毎時52分から翌6分にかけて)が出来てしまう。一方図1では,毎時10・25・40・55分に小樽方面に出発する快速の前に8分ほど,普通列車が発車できない時間帯がある。これは,札幌から手稲まで待避設備が無く,ここを空けておかないと快速のスジが寝てしまうためである。
 このままでも,札幌駅で長時間停車させ,快速が札幌を出発するのを待っていれば良さそうなのだが,この記事の趣旨である「札幌駅の在線時間を極力短くする」に反してしまう。そこでこの記事では,図‐1の小樽方面のスジを丸ごと平行移動することによって,札幌駅での停車時間を圧縮できないか考えてみた。色々と考えてみると,小樽方面のスジを5分前に平行移動することにより,

図‐3:改良ダイヤパターン

 図‐3のようなパターンが得られる。こうすると,ちょうど「江別~札幌で特急待避が出来ない影響で各停が走れない時間帯」と「札幌~手稲で快速待避が出来ない影響で各停が走れない時間帯」を重ねることが出来る。あと,地味に南千歳での特急‐快速間の接続にかかる時間が短くなり,結構大きな効果が得られそうである。
 ただし,この図‐3パターンには致命的な難点がある。それは,南千歳から駒里信号場までの距離が長い割に時間の余裕がなく,行き違いの設定がしんどいという点である。最初からそうならないように設定すれば良さそうだが,現況の時刻表を見ていると,やむを得ず駒里信号場で行き違いせざるを得ない状況が出そうである。どうしたものか…といったところである。

 というわけで,ここまで札幌駅に同時に在線する列車を減らすことを考えながらパターンを組んできた。このパターンを見ている限りでは,3番線(いしかりライナー,スーパーカムイ,普通列車の一部)・4番線(快速エアポート,普通列車の一部)・5番線(千歳線の特急)の3本で強引に回しきれそうな気がしてくる。ダイヤ乱れ時にどうしようという議論も起こるだろうが,3番線から6番線の有効長さは非常に長く14両編成分(筆者が目視で測定。多少の誤差はすみません)のホームがあるため,いっそのこと場内閉塞を東京の満員電車よろしく半分に割り(以下検閲削除。車止めを置く気はない)を検討している。

 次回は,このパターンに現行のダイヤを当てはめながら,出て来る問題点を整理し,どうしようもない点が出てきたところで,配線改良をおねだりする方向で書いてみようと思う。あくまで現時点での筆者の予想だが,以下の点が問題として浮かび上がると思われる。

3から6番線の場内閉塞を半分に分割
9番線と10番線の同時発着
11番線の設置もしくは,9番線を真ん中で分割
手稲駅に入庫とは別に,折り返し専用の引き上げ線を設置
厚別駅の上り本線移設
琴似駅の函館方になにかを新設

図‐4:最終的にはこの形の図に持っていきたいところ(妄想)


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