筆者はこれまでも,のぞみ号毎時12本運転をどのように行うか,推測を試みてきた.詳細は
に譲るが,この時点で記したほぼその通り,3分00秒間隔での東京駅折り返しを実現することによって本数を毎時最大18本→20本に増やし,その分をのぞみ号の増発に充てる形での増発が実現している.
一方でその中身であるが,筆者の事前の予想では,「小田原~三島で先行のこだま号に当たらないようスジを組んだ時,東京~新大阪は2時間27分」であったため,従来のこだま・ひかり号のパターンは崩れるものと考えた.しかしふたを開けてみれば,こだま号,ひかり号とも,従来のパターンほぼそのままであり,東京駅での30分等間隔発車も保たれる形となった.
筆者が予測を誤った原因として,のぞみ号の所要時間を過大に評価したことが挙げられる.どうも,今回こだま号をN700系に統一した結果として,一駅停車するごとのコストが3分30秒程度(停車時間自体は含まない)にまで縮まり,のぞみ号が最高速度で走っても,前のこだま号に邪魔されることが無くなった,ということらしい.実際,ひかり号が居ない前提でダイヤを組むと,のぞみ号は東京~新大阪を2時間24分程度で結ぶことが可能になる.2時間30分と比べると6分の余裕があるから,これを各列車に割り当てることで,ひかり号のパターンを従来のままにしつつ,のぞみ号の所要時間を2時間30分以下に統一出来たものと考えられる.
では早速,そのパターンを図示してみたい.
図1:2020年3月改正ダイヤパターン図(推測含む) |
①東京駅の折り返し能力を3分00秒間隔(15分以内)に向上
②のぞみ号同士の間隔を150秒から120秒(?)に短縮
③こだま号の駅停車コストを300秒から210秒に短縮
①は各種報道の方が詳しく,③は過去記事で解説済みのため②に着目する.今回の改正で,こだま号の駅停車時間4分台の駅がかなりたくさん出ている.従来のダイヤは,こだま停車(90秒)のぞみ1本目(150秒)のぞみ2本目(60秒)こだま発車で計5分取ることが一般的だった.これを不要とするには,やはりのぞみ号同士の間隔を150秒より短くする必要が出る.今回筆者が図1を作成する際は,のぞみ同士の間隔を120秒(こだまの停車時間4分30秒)を想定して作図した.
次に筆を起こすのは,運用中のダイヤを現地でより具体的に調査してからにしたいと考えている.